ホノルルにて、リピーター作りや顧客の囲い込み戦略という意味で、興味深い経験をしました。

ジュエリーを見に宝飾店に行きました。
自分の頭の中では予算があり、その範囲で見ていたのですが、担当者からある提案をされました。
実は8年前このお店でジュエリーを購入していました。たまたまその際と同じ担当者が接客してくれたこともその提案の理由かと思いますが、「8年前に購入したものを同額で買取るから、それに現金をプラスしてアップグレードしませんか？ただし、アップグレードする商品の価格は、買取商品の価格の2倍以上」ということでした。
なるほど！と思いました。当初考えていた予算は、8年前の購入価格と同額くらいでしたので、店側からすると売上が２倍以上になるわけです。

では、買い取った商品は同額くらいで再販できるのか？そんなはずはありません。8年間使っているわけで、殆ど再販価値はないのではないかと思いました。すると…店側の出している定価の半額でも十分利益が出るということではないでしょうか！
ある宝石商の大先輩がお話されているとき、盗み聞きしたわけではありませんが聞こえてきたことがあります。「定価の半値八掛け二割引き！」この数字が何を意味するのかは分かりませんでしたが、これが原価だとしたら、定価の半値で売っても宝石商は利益が出るわけです。何という商売でしょう！

まあ、利益構造は置いておいて、この買取アップグレート商法はうまいなと思いました。店側からすると売上は2倍になり、顧客側からすると買取に出すということは「要らなくなったもの」なわけですから、新たに欲しくなったものが半値で買えるわけです。ジュエリーもカラットいくらという相場があるわけですから、顧客側からしても相場の半額で買えたら、次もこの店で買おうとリピーターになるわけです。

こんな風に感心していたら、翌々日、ヒルトンのタイムバケーションでも同じ商法を用いてました。
タイムバケーションも部屋の広さや眺望により約200万円〜2000万円の範囲で価格が決まっています。
オーナーになって気に入って、もっと長く宿泊したいとか、もっといい部屋に泊まりたいとか思えば、自分の所有する部屋に金額をプラスすれば、より良い部屋にアップグレードできます。ただ現状の2倍とかいう縛りはないですが。
結局、私は買いませんでしたが、説明を聞いてオーナー側がそんなに損をする話でもないかなとは思いました。
ただ、私は投資だと考えると5年回収したかったので、200万円だと一泊2万と考えても5年間で100泊、1年間で20泊。他にクレカのポイントで泊まれるホテルとかもあると考えると、このタイムバケーションだけで1年間に20泊はしないなと思いやめました。

話はそれましたが、このアップグレード商法は、原価が低い商売においては、顧客のリピーター作りと囲い込みに結構有効な手段だと思いました。